社長ブログ

海外生産

2011年09月20日

円高の影響で今盛んに話題になっている海外生産ですが、実は当社もかれこれ7年くらい前にオフショア開発を試みた事があります。結果は断念しました。今思えば比較的早めの断念でしたので損失はわずかで済みました。たまたま知ったフィリピン人のIT技術者の紹介会社を通し、現地入りして面接を2日で30人以上したでしょうか、その中で現地のIBMにいた技術者を採用し日本に連れてきました。2年間位でこちらで仕事を覚えたら現地法人を設立し・・なんて事を計画していたのですが来日1週間目で、「妻が妊娠中で、具合が悪くなって入院した。帰国したい。様子をみて落ち着いたら戻ってきます」と涙を流し言ってきたので、往復の飛行機代も渡して帰国させましたが、それっきりです。 その後、紹介会社の担当が申し訳ないので、今、日本で働いているフィリピン人を紹介します。という事で、1年半仕事を(と言うより勉強ですね)させましたが、どうにもこうにも現地設立を任せられるレベルではありません。ここで、断念です。 大企業は別として小規模企業が海外生産を実現させるには様々な壁がありすぎますね。まして、当社のようなオーダーメイドソフトの開発ですと、毎回違うご要望を頂くわけでして、その業務内容をなかなか理解できない点があります。ソフトを組むと言う作業はやって見せて覚えてもらうことができないのです。大企業のように大勢雇ってみて残れる人が残る、そんな資金力もありませんし。ある程度決まったパターンの開発でしたら覚えさえすればできるかもしれませんが・・。

当社のユーザー様に10年以上も前に、コンサルタントに頼まず、社長の自力でインドネシアに現地法人を設立し、大成功をされた企業があります。私も数年前にインドネシアに行きお話を伺ってきました。プレス加工がメインの製造業です。その社長はとてもバイタリティーと好奇心があり、国選びに数カ国出向いて肌が合うと言いますか、空気が合う国探しからしたそうです。そして研修制度を利用し作業を覚えてもらい、現地設立に協力してくれる人を探したそうです。 現地の人はどうせ設立したってダメだったら会社をほって、日本に逃げちゃうだろうと、思っているらしく、本気で成功させる意気込みを見せないと彼らも本気に仕事をしてくれないと、その社長は今でも現地に住みついています。
やはり、信頼関係が一番大切なのでしょう。ただ安く作れるから利用すれば・・・だけでは成功には及ばないようです。 習慣の違いも多く、返品率が大幅に減ったので、臨時ボーナスを支給したら、「これは神のおかげだ、神からのプレゼントだ・・・」とみんなが口を揃えて言ったそうです。俺の判断で支給したのに誰も俺にありがたそうにしてないよ・・・。って、笑って話してましたね。 当社は一度は断念しましたが、まだ完全に諦めてはいません。作業内容によってですが、本気でやれば企業規模に関係なく、さほど費用をかけずに成功する事ができると思います。

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