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リモートAPPの不具合とその対処法

2025年10月24日 スタッフブログ 開発 関戸 

外部の拠点からPCできる蔵をご利用頂く際、多くのお客様で採用して頂いているのがリモートAPP(Remote Desktop ServicesやRemoteApp)を用いた方法です。サーバー側でデータの処理を行うため、データ転送量を抑えられ、レスポンスが向上する反面、リモートAPP固有の問題やトラブルもしばしば発生します。このトラブルやその対処法をまとめました。

 

よくある不具合の症状

リモートAPPの不具合は多岐にわたりますが、代表的なものを挙げると以下のような症状があります。

  • アプリケーションが起動しない、または途中でフリーズする
  • 接続後すぐに切断される
  • 画面表示が遅延する、または描画が乱れる
  • 特定の操作でエラーが発生する(例:ファイル保存時に応答なし)
  • ローカルプリンタやクリップボードが共有できない

これらの問題は、ユーザー体験を大きく損ない、業務効率の低下やストレスの原因となります。

原因の分析

不具合の原因は、クライアント側・サーバー側・ネットワークのいずれか、または複合的な要因によるものが多いです。

  • クライアント側の問題:Windowsの更新による互換性の崩れ、RDP設定の不整合、古いバージョンのRemote Desktop Clientなど。
  •  サーバー側の問題:RemoteAppの公開設定ミス、セッションホストのリソース不足、グループポリシーの競合。
  • ネットワークの問題:VPNの不安定さ、ファイアウォールによる遮断、帯域不足。

特にWindows Update後に突然接続できなくなるケースは多く、更新によるRDPプロトコルの仕様変更やセキュリティ強化が影響している可能性があります。

対処法と予防策

不具合に直面した際は、以下のようなステップで原因を切り分け、対処することが有効です。

  • ログの確認:イベントビューアーやRDSログを確認し、エラーコードや警告を特定。
  • クライアントの更新:Remote Desktop Clientの最新版をインストールし、設定を初期化。
  • ネットワーク診断:pingやtracertで接続経路を確認し、VPNやDNSの設定を見直す。
  • サーバー側の再起動・リソース確認:セッションホストのCPU・メモリ使用率を監視し、必要に応じて再起動。
  • グループポリシーの見直し:セッションタイムアウトやリダイレクト設定が適切かを確認。

また、予防策としては、定期的な更新管理、バックアップ構成、ユーザー教育が重要です。特にIT部門とユーザー間のコミュニケーションを密にし、障害発生時の対応フローを明確にしておくことが、迅速な復旧につながります。